2020年03月30日

診察について

季節外れの名残雪で、春なのにとても寒いです。

しかし風通しが良いとは言えない院内なので、換気のために一部の窓を開けざるを得ません。ちょっと寒い(または暑い)かもしれないので、服装に気をつけて来院してください。

現在のところ、正直にいって患者さんの数はとても少ないです。なので待合でたくさんの人が密集する危険はほぼありません。あるとすれば終了時間間際くらいです。午前なら昼ちょっと前、午後なら5時過ぎを避けていただければ、まず3密を避けることができると思います。

マスクは診察する際に外す必要はありません。無駄な脱着は感染のリスクを上げ、貴重なマスクの無駄遣いになります。眼科で喉の診察をすることはありませんので、家から出る時から帰宅するまで外さずにいて下さい。

早く寒さとウイルスが去りますことを心から願っております。
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2020年03月27日

3/28土曜日の休診について

今年も呑川緑道の桜が咲きました。いつもならお花見を楽しむ人たちで賑わっていた事でしょう。ご存知のように今年はそれが叶いません。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、様々な活動の自粛が続いています。

今週はついに1日当たりの新規患者数が40人を超えて、しかもそのうち10人以上が感染経路不明という事態になりました。感染が疑われる人を丁寧に見つけていくというこれまでの作戦が破綻しつつあるようです。更なる拡大による医療体制の崩壊を防ぐには、人々の接触や移動を制限しなければなりません。それもいますぐに。

眼科の診療は不要不急のものなのか、改めて突きつけられた感じです。眼科にも救急疾患はありますが、そもそも一般の診療所の手に負えるものでは無いかもしれません。最初に見つけて高度な医療機関につなげる役割はあると考えています。その過程で生じる不安や不満を丁寧に解消する事もそうでしょう。平時であればその責を果たすべきだと思います。しかし今は緊急事態に近い状態と言えそうです。

一番心配なのは我々が感染を拡げる手助けをしてしまう事です。院内の環境やスタッフの移動が原因でウイルスが拡まってしまうことは絶対に避けねばなりません。

通常、一般の眼科外来には飛沫感染や空気感染を考慮していません。それに対し、結膜炎の院内感染には神経質ですから接触感染対策はしっかりしています。院内の備品は基本的に消毒できるものです。また、どこを消毒すべきかよく分かっています。結膜炎の患者さんと他の患者さんが接触しないように座る席なども分けています。

しかし今回の新型コロナウイルスは飛沫感染です。咳やクシャミ、会話で飛んだ飛沫などが感染源になります。これに対して我々眼科医は対策を取っていなかったと言えるでしょう。武漢で亡くなった眼科医もおそらくはこの辺の防護をしていなかったと考えられます。

発熱や咳などの症状がある方を、院内で分けて診療することはできません。入口も待合も診察室も一つだけで、特別な空調設備もありません。マスクの在庫も僅かで、それ以外の防護用品はそもそも備えていません。また今となっては入手も困難です。防護メガネだけは購入できました。

幸か不幸か、2月以降は花粉症シーズンにもかかわらず外来は空いていて、待合が混み合うことはありませんでした。例年通りであれば患者さん同士の間隔を1mも空けるのは難しかったでしょう。

東京都知事の会見で、週末の不要不急な外出を控えるよう都民に要請されております。さらに次の週末も続く見通しです。「重大な岐路」であるなら、とりあえず今週末は休診にしようと思います。これから先のことは正直なところ全く予想がつきません。ロンドンやパリのように都市が封鎖されるのか、杞憂に終わるのか。今はできることをして祈るばかりです。

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2020年03月06日

今年の春は

今年は年明けから新型コロナウイルスの流行で落ち着かない状態が続いています。気を揉んでいるうちに3月になってしまいました。

これだけ社会に大きな影響が及ぶと、落ち着いて事態をふりかえることができるまでもう少しかかりそうです。いろいろな意見があり、その是非についてはいずれ評価される時が来るでしょう。今の段階でコメントはしないでおこうと思います。

今それぞれができる事は衛生だけでしょう。結膜炎でもコロナウイルスでも感染対策の基本は同じで、人混みを避けて手洗いをしっかりすること。これに尽きると思います。

花粉症の季節ですが、目を擦ったり触ったりしないことも大事だと思われます。今回のウイルスと結膜炎に関しては、いくつかの報告があります。しかしまだその数が少なく、はっきりした事は分かりません。花粉メガネなど防護メガネ装用は、目を触らないと言うことに関しては一定の効果があると思います。

家に閉じこもってテレビばかり見ていると、刺激的なワイドショー番組ばかり目にするかもしれません。奇しくも9年前、311の時にみんなノイローゼのようになったように、必要以上に不安を煽るのは良くないことだと思います。

3月18日〜22日まで休診します。以前から決めていた事なので、特に今回の騒ぎとは関係ありません。

もう桜が咲いてしまうようですね。花見には間に合わなかった。
すでに木蓮は見頃です。

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2020年01月06日

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。

今年はヤンゴンで新年を迎えました。日本が地盤沈下する中で、東南アジアの国々の発展が眩しく感じられる昨今ですが、ミャンマーはまだまだこれからな国かもしれません。

国も人も穏やかで、いいところでした。

初詣はこのピカピカなパゴダで。

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2019年12月17日

スマホと年末のご挨拶と募集

いよいよ今年も残すところ半月となってしまいました。特に野望もないので、一年を無事に過ごせたことだけで満足です。

 ちょうど5年前の12月23日に耳下腺腫瘍の手術をしました。その時は年末にも関わらず、長い休みを頂いて申し訳ありませんでした。それから気づけばもう5年、特に再発もなく、日常生活で思い出すことはありません。当時、記録がわりに術創を写真に撮っておいたのですが、それと比べると本当に目立たなくなりました。

 スマホのおかげで写真を撮ったり記録しておくことがとても簡単になりました。自撮りというキーワードで己の術後写真がアルバムから魔法のように出てくるんですから驚きです。80歳になろうという老母もスマホに変えたくらいですから本当に普及しました。

 最近ではお子さんの目の様子を写真に撮って、外来で見せて頂くことも増えました。受診以前の様子が驚くほど鮮明に分かり、カメラの性能にも驚かされます。昔は接写しても暗くてピンボケでした...。

 斜視など子どもの目の病気は、ご両親や保育園、幼稚園の先生が発見することが多いです。そのきっかけが写真であることも少なくないです。フラッシュなどを使用して写真を撮ると、黒目の中心に光の反射が映りますが、斜視だとそれがズレます。またテレビなどを観ているお子さんの様子を動画で撮影して、異常に気がつかれる事もあります。

 有名なのは網膜芽細胞腫で、目の中の腫瘍が白く光って映ること。私自身はまだ経験した事がありませんが、家内はこうした訴えで発見した事があるそうです。

 他にも事故などがあった場合に、その状況や周囲の様子を撮影したり、薬品のラベルを記録したり、スマホは患者さん、我々医療者双方に便利です。

 便利なんですが、やっぱり気をつけなければいけないのは情報を検索する時でしょう。ネットの情報についてはもう今更言うほどではないほど玉石混合です。間違えているだけならまだしも、営利目的で危険な方向に誘導したりすることもあってとても心配です。情報は発信元を確認し、複数の情報を当たりましょう。

 さて相変わらず人手不足な当院ですが、またまたスタッフの募集です。来年、パートさんの退職に伴い、週に何度か検査を手伝っていただける方を探しております。午前中、午後だけでも構いません。週2日ほど、難しければ1日でも構いません。OMA、ORTの資格をお持ちの方、お待ちしております。

年末年始のお休みは12/27〜1/5です。それでは皆さま良いお年を。
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2019年11月14日

「美容常識の9割はウソ」について

久しぶりになってしまいました。

今日はいつもお世話になっている東京医療センター形成外科の落合先生の著作を読んだので、ぜひ紹介したいと思います。

美容常識の9割はウソ
美容常識の9割はウソ

形成外科は、保険の効かない自由診療である美容整形とは違います。眼科領域でいえば睫毛内反症(逆さまつげ)や眼瞼下垂など、目の形状や機能の問題を改善させることを目的に、主に外科的手術で治療する診療科です。

この辺りの疾患は以前は眼科でも手術していました。今もまだやっているところはあると思います。しかし最近では形成外科に依頼する事が多くなりました。当院でも落合先生を紹介させていただく事が多いです。術後の経過はとても良好です。何より術前によく説明していただける事が本当にありがたいです。

「肌荒れ・乾燥肌は“洗いすぎ”が原因だった」「“鉱物油が危険”は昔の話――安全性が高い保湿剤」あたりは必読だと思います。石鹸で洗い過ぎないで、ワセリンを塗って!と、私が外来で口を酸っぱく言うより、これを読んでもらう方が説得力があります。

男の私には化粧や化粧品の良さ、楽しみは分かりません。なぜ肌に悪そうな事してるんだろうと思うばかりです。しかし先生はその愉しみにも理解を示した上で、優しく美容についても諭してくれています。今度外来に置いておいて、目の周りを掻きむしっちゃう方にお勧めしてみようと思います。

これから冬にかけて乾燥する季節です。ワセリン、お勧めです。
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2019年09月09日

台風15号

台風15号の影響で交通機関など運休しています。
本日午前中は休診します。今のところ午後から診療する予定です。

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2019年07月09日

今年も半分終わり

お久しぶりです。どのくらい久しぶりかというと、前回が去年です。平成時代です。
よく久しぶりに来院された方が、そんなに間が空いてないと仰るのが不思議だったんですが、今はよくわかります。

ちょうど年号が変わる直前に運転免許を更新しました。なので期限は平成36年という、ありえない年になっちゃいました。年号が改まってからでもよかったんですが、平成に愛着があって早めに更新しました。令和になってからという人が多いせいか空いてましたしね。

ちょうどその頃、高齢者による自動車事故の報道があり、免許返納を勧める議論がメディアで取り上げられるようになりました。
目黒区からもこのようなお知らせが。

運転免許の自主返納を考えてみませんか

外来で視力や視野に問題のある方には運転免許返納をお勧めすることがあります。眼科的に問題がなくても、認知機能などで総合的にみて危険な場合もあります。この辺の判断を我々だけでするのはどうなんでしょうね。

私もクルマがあるから大好きな釣りにも行けるわけで、その時が来たらとても寂しいと思います。

梅雨時になり、ハウスダストなどのアレルギー性結膜炎をよくみるようになりました。同時に今年も各所でアデノウィルスによる結膜炎が流行しつつあります。毎年のことなので詳細は省きますが、どうぞ気をつけてください。最近では百均で次亜塩素酸系の消毒薬が売られている時代ですが、あまり過信せず、流水で十分な時間、物理的に流すことを心がけてください。物理的に流すのが一番確実です。一番大事なのは目を触らないことです。

久しぶりなのに内容が希薄ですみません。11年も続けていると修行中というよりは書くことが修行みたいになってきます。病気のネタは出尽くして、季節ごとの注意もマンネリですね。

今後はネタを限定せず、もっと自由なテーマで書いてみようと思います。

7月13日土曜日は臨時休診となります。パートさんの確保の見通しが立たず、やむなく休診させていただきます。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。

通常の診療でも夕方以降の人手が足りず、やむなく検査をお断りすることも増えています。検診や検査の予約も一杯一杯になってしまいました。繁忙期6月もなんとか過ぎて、これからは余裕が出てくると思います。
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2018年12月13日

Queen

早いものでもう師走となりました。年末だから特別忙しいわけでもありませんが、何かと気忙しいですね。
まあ年賀状もお歳暮もネットでポチっと出来るので楽になりました。以前は息苦しいほど混雑したデパートの催事場で行列にウンザリしたり、書いても描いても終わらない年賀状に休み時間を取られたりしましたから。

正月になると休みの来館者を目当てに大作映画が封切られます。ろくな娯楽もなかった頃は、いそいそと出かけたものの、最近は1800円も払って繁華街に出向くのが億劫になっておりました。こちらもネットの配信を待ってれば、いずれ観る事ができますからね。

しかしこのタイトルばかりは映画館で観る価値があると思います。

ドンドンぱ!ドンドンぱ!

そうです。「ボヘミアン・ラプソディー」です。もうご存知の方も多いと思いますが、あの英国のバンドQueenのボーカル、フレディー・マーキュリーの自伝的映画です。彼の活躍したのは70年代から80年代前半ですので、私の思春期の少し前に当たります。「レディオ・ガガ」が1984年なので、リアルタイムで聞いた最初で最後の曲かもしれません。

正直なところ当時は米国とくに西海岸のハードロック全盛時代だったので、Queenは少し時代遅れの感が否めませんでした。個人的には何だか恥ずかしいカッコをしたイロモノ(失礼)バンドという印象でした。

むしろ彼らの曲の良さを知ったのは後になってからでした。映画「ウェインズワールド」でボヘミアン・ラプソディー、同じく「ロックユー」これはコーラのCMもあったかな。また大学病院時代の先輩が好きで、よく手術中にかけていたからかもしれません。

1991年にフレディーが亡くなるまで、彼がエイズであったこともゲイであったことも知りませんでした。映画を観るまでインド系ゾロアスター教徒だったことも知りませんでした。要は彼がマイノリティーであることも、差別されてきたことも、その苦悩も何も知らなかった。

映画の中のエイズの描写はまさに20年前のそれで、当時は死の病でした。偏見や誤解も酷いものでした。現在はほぼ寿命を全うできるようになったことを考えると、隔世の感があります。

とはいえ今でも大変な病気であることに変わりはありません。ご存知のようにエイズはHIV感染による免疫力低下に伴って、様々な感染症を発症します。これは眼科領域でもみられます。

体調に異常を感じていないHIV陽性の方が、目の感染症で初めてその事実を知ることも珍しくありません。最近、私が経験した方々は皆そのような経過でした。多くは梅毒やサイトメガロ感染に伴う虹彩炎や網膜炎です。健康な若い方で、比較的重症な眼内炎症をみた場合は注意しなければなりません。疑ったからといって、デリケートな問題なので最初から正攻法というわけにはいきません。正面切ってHIV感染の可能性はありますか?とはとても聞けません。

目の症状は何か他の病気の合併症かもしれないので、大きな病院で精査しましょうとお話しします(実際に膠原病などが原因なことも多いです)。もしHIV陽性でも、それを知らせる紹介状の返事がしばらくして送られてくるだけです。HIVの管理は専門にしているところで行われる事がほとんどなので、私のところに患者さんが再び受診することはありません。

今では死に至る病ではなくなったとはいえ、告知に伴うショックはいかほどのものでしょう。

映画館を出てから気がつきましたが、我々夫婦はともに50歳を過ぎてるので割引があったんだ!人生の晩秋を迎えつつありますが、使える割引は必ず使おうと思いました。街もすっかり冬支度です。

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最後になりますが、今年の年末年始のお休みについて告知です。
12/27〜1/3までお休みです。
また、12/22は臨時休診です。

今年もお世話になりました。また来年も宜しくお願い致します。
それでは良いお年を。
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2018年10月02日

機中では

長期休暇を頂き、ご迷惑おかけしました。
台風24号のため、帰ってこれないかとヒヤヒヤしました。なんとか無事帰国することができ、本日から診療再開しました。

これだけ長く休みを頂いたのは首の手術のとき以来です。おかげさまで本当にリラックスできました。また頑張って診療いたします。

もともと旅行が好きで、以前は予算と時間の許す限り様々な国に行っていました。最近では中々そんな時間を作ることも難しく、近場ばかりです。年のせいか、エコノミーの狭い座席に長時間ずっと座っているのも苦痛になってきました。

今回は何度かの乗り継ぎに中、最長で10時間近く乗っていたました。とにかく退屈で往復で10本もの映画を観てしまいました。以前は本を読んでいるか寝てるかしか無かったので、いい時代です。しかし猛烈に目が乾いて、とても観ていられませんですね。

飛行機内の湿度は20%以下にまでなることもあるそうです。これは真冬の乾燥期と同じです。こんな環境で瞬きもせずモニターを凝視すればドライアイは必発でしょう。寝ている間でも乾きますので、コンタクト装用者は気をつけてください。たまにハワイから電話がかかってきます。うっかりコンタクト装用したまま寝てしまい、現地で起きた時には乾燥して角膜を傷つけてしまう、なんて事例がたまにあります。そうなるとせっかくの休暇も台無しです...。

もうこんなに長く休むことは当面ありませんのでご容赦ください。

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2018年08月21日

夏休み

 猛暑も台風とともに落ち着いて、一時的かもしれませんが過ごしやすい日が続いています。これまで命の危険を感じるような気温が続いていたので、少しホッとしています。いつの間にかお盆も明けて、夏も峠を越しました。暑い暑いと言いながら、夕方には少し寂しさを感じます。

 毎年のことなんですが、今年もアデノウィルスが猛威をふるっています。去年は比較的症状の軽い咽頭結膜熱(プール熱)がここ数年で最大の流行を記録しましたが、今年はそれほどでもありません。代わって流行性角結膜炎(はやり目)が多い傾向です。今の勢いで行くと、これも数年で一度の大流行になるかもしれません。

 何度も取り上げたので詳しくは書きませんが、とにかく結膜炎としてはラスボス級に症状が強く、伝染力も強いので気をつけてください。この時期に子供にうつしてしまうと、新学期が始まってしまうので大変なことになります。法定伝染病なので治るまで登校できませんし、教室に持ち込むと野火のように拡がって収拾がつかなくなります。

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 近年流行しているのは重症化しやすいタイプと言われています。この重症化しやすいアデノウィルス(D種の50番代)を新型と区別する先生もいます。罹っている最中も酷いですが、なによりも後遺症が残りやすい印象です。角膜の混濁が長く残るので、眩しくて見にくい感じが数ヶ月、場合によっては数年残ってしまいます。

 罹ったことのない方、お子さんは免疫がないので特に注意してください。子供は何でも触るし、子供同士の接触を避けることは難しいでしょう。流行を知ったら、近寄らないのが次善策です。お子さんから兄弟、両親に拡がってしまう事も多いです。旅行や帰省を契機に、一族郎党罹患してしまうのでは洒落になりません。

 最後にお知らせです。来月9月22日から10月1日までお休みとさせていただきます。
 
 ちょっと長いです。ご迷惑おかけして本当に申し訳ございません。開業して10年、おかげさまで何とか続けてくることができました。思えばあっという間でしたが、時間の経過は残酷です。クリニックも古くなり、私もすっかり白髪が増えました。多分、中身の脳みそもだいぶ劣化してると思います。

 ここらで少しリフレッシュしてまた頑張りたいと思います。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

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2018年06月26日

煙のない世界

 いつの間にか入梅して夏至を迎え、すでに真夏のような暑さです。言い訳がましいですが、眼科の一番忙しい時期でご無沙汰しておりました。やっと視力検査で引っかかった子供たちの受診も落ち着いてきました。これから少子高齢化すると、これも昔話になるんでしょうか。地域によっては校医をしていた学校が統廃合で無くなったなどという寂しい話もあるようです。

 幸いマンモス校で知られる学校を担当させていただいているので、しばらくは大丈夫そうです。しかし10年、20年後はどんな世界になっているんでしょうね。人口減少社会で国が持つのか、真剣に議論しなければならないでしょうね(だいぶ空転してるみたいですが大丈夫なんでしょうか)。足元では人手の確保、国民健康保険が維持できるのか心配です。

 東京オリンピックに向けて、今は目を逸らしているだけのように感じます。ただ良いこともありました。やっと喫煙に関する法整備が進みそうです。利権絡みで動きの鈍い国に先んじて、都の方が現実的な対策を考えているようです。今回提出される予定の条例は、報道されているように、

屋内施設は全て禁煙
都内の飲食店は原則禁煙(ただし、次の条件を満たす場合のみ例外)
 @従業員がいない
 A客席面積100u以下
 B資本金5千万円以下
 C事業者が喫煙可を選択

 従業員がいないという条件がポイントで、これでかなりの飲食店を禁煙にできますね。従業員の望まない受動喫煙を防止する対策だと思います。私も娘が喫煙できるコーヒーチェーン店でアルバイトをしていたので気になっていました。クリニック隣の串カツ屋さんも、早々に禁煙になったようです。諸外国に比べ遅れていたこの流れはもう止まることはないでしょう。喫煙の眼科的な問題は以前取り上げたのでここでは書きません。

 もちろんクリニックも禁煙ですが、さらに踏み込んでルールを作ろうと考えています。あまり周知されていませんが、都立大学駅周辺は目黒区の路上喫煙禁止区域です。歩きタバコは区内全域で禁止です。喫煙が許されているのは駅前に設置されている喫煙所だけです。

 来院される方も、お付き添いの方も、院外に出て喫煙所まで行かなければタバコを吸うことはできません。そしてこれはお願いですが、タバコを吸われてすぐに院内にいらっしゃる、または戻るのはご遠慮頂きたいです。しばらく吸えないためか、直前に吸って入って来られる方がいます。受動喫煙防止と周辺の環境を考慮すると、やめて頂きたいと考えています。

 喫煙者が肩身がせまい思いをしていることも承知していますが、個人的には嫌煙派です。患者さんにはしつこく禁煙を説きます。これからも。

禁煙するとご飯が美味しいですよ。

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2018年04月03日

10周年

 今年も桜が咲きましたね。例年より少し早かったです。冬の寒さが厳しい年でしたので、待ち遠しかったです。

 柿の木坂では呑川の支流に沿って東西南北に桜並木があるので、特別にお出かけしなくても十分楽しめます。

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 今年の春はクリニックにとっても特別な年です。ちょうど10年前の今日、4月3日に当院はここ柿の木坂に開院しました。私の世間知らずや未熟ゆえに、当初は失敗ばかりでした。曲がりなりにも10年続けられたのは、温かく見守って頂いた地域の皆様、医療センターや大学の先生方、スタッフそして家族のおかげだと思います。本当に感謝いたします。

 10年の間にリーマンショックや、あの震災など色々な事がありました。景気も悪かった。将来に対する不安は増すばかりでした。少子高齢化、医療費増大、人手不足などなど考えていたらキリがありません。きっとこれからの10年も日々悩みながら地道にやっていくしかないのでしょう。

 私自身も年をとりました。気がつけば五十路もすぐ目の前です。病気もしたし、老眼も進みました。医学、眼科の臨床領域でもどんどん新しい事が出てきて、古いものが否定されて行きます。それについていくのも以前より大変です。生涯学習と健康維持が何より大事であると痛感する今日この頃です。

 続けていく上で、ストレスコントロールは大事だなと思います。忖度とか人間関係など苦手な分野からの解放、無理しないこと、筋トレ、時々海に行くこと、怒らないこと。これは10年の川の流れで角が取れたのか、単なる老化かわかりませんが。

 さて次の10年はどうなるでしょうか。

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2018年02月27日

舌の下

 今年は寒さがこたえますね。朝は氷点下、昼も10度に届かない日が続きました。これほど寒い冬は久しぶりかもしれません。しかし2月もまもなく終わります。寒さも底を打ったように感じます。これからは少しづつ暖かくなりそうです。

 暖かくなると気になるのが花粉症です。眼科では年に一度、一番混雑する時期です。花粉症の人も辛いと思いますが、私も辛いです。毎年のように点眼薬を使う方は、ぜひ早めに取りに来て頂けると幸いです。以前もお伝えしましたが、早めに使う事で重症化を避けることができます。掻きこじって腫らしてしまってからでは大変です...。

 最近では耳鼻科などで花粉症に対する舌下免疫療法をしている方もいるようですね。スギなどの抗原を原料とした治療薬を、口の中、舌の下に入れる療法です。少量のスギ抗原を少しずつ体内に取り入れる事で、アレルギー反応を出にくくするよう慣らしていく療法です。

 以前は注射でした。治療期間が何年にもわたる方法なので、続けることが難しかったようです。痛いですし、毎回クリニックに出向かなくてはなりません。これを舌の下に入れるだけにとなったので、格段にハードルが下がりました。

 治療の結果、花粉から完全に解放される人は2〜3割、症状の緩和が7割と行ったところだそうです。期間やコストを考えると微妙な成績ですね。さらなる成績の向上に期待しましょう。

 この治療にはいくつか禁忌があって、眼科的に気をつけるべきものもあります。例えばβブロッカー(阻害薬)という薬との併用はできません。一般的には高血圧の薬として有名です。

 他にも緑内障の点眼薬としても使われています。現在はもっといい点眼薬があるので、最近では補助的に使われることが多いですが、それでもまだ多くの緑内障患者さんが使われています。具体的にはチモプトールやミケランと行った点眼薬です。最近ではこれを含んだ合剤などもあるので、10種類くらいはあるんではないでしょうか。

 βブロッカーは、アレルギーの重症化させてアナフィラキシーという激しい症状を起こすことがあります。場合によってはショックを起こして死亡することもあります。また、そんなショック時に救命で使われるアドレナリンなどの作用を弱めてしまう可能性もあります。たかが点眼と思われるかもしれませんが、やはり危険です。

 舌下免疫療法を行う施設は限られており、そのような情報は治療開始前に確認されていると思います。しかし途中から緑内障と診断されて点眼が出たり、後から追加されたりした場合、気づかず使用してしまうかもしれません。何か新しい治療を始める場合はひと言、相談してください。

 今週の木曜日には春一番だそうです。これまで低温と降雪でおとなしくしていた花粉も風に乗っていよいよ飛んで来ます。梅が咲いたら点眼を始めましょう。杉の花粉症は桜が咲く頃までです。

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2018年01月12日

枝葉をカット

 いつの間にか年が改まって松の内さえ過ぎてしまいました。遅れましたが、新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 年末はプール熱に振り回されているうちに終わってしまった感じです。それほど酷い2017年でした。

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 このグラフのように春頃から例年通り増えてきて、夏以降は例年を上回るペースだった事がわかります。そして一旦秋頃に収束したかのように見えながら、年末にかけて増加しました。感覚的にもこの通りだと思います。

 過去20年くらいの流行状況を調べてみましたが、今年ほど多かった年は無いようです。年が明けて本当に減ってきているようで、一安心です。免疫ができたお子さんが増えて、来年以降は落ち着くんでしょうか。

 この時期は風邪や鼻の不調に伴って、細菌性の結膜炎はまだ多いです。しかしプール熱のように症状は重くないですし、野火のように広がることもありません。なかなか区別は難しいですが...。

 そんなこんなでやっと休みに入ったので、年末年始は荒れ放題になっていた実家の庭仕事をしました。10年近く伸び放題だった庭木を切り、始末するのは重労働です。しかし、この時期を逃すと葉が出てまたできなくなってしまいます。

 すっと上を向いて高枝切りを操作するのは首が痛くなって辛いものですね。翌日はずっと下を向いて反省していました。

アルス 超軽量伸縮式高枝鋏ライトチョキズーム 150Z-3.0-5D アルスコーポレーション https://www.amazon.co.jp/dp/B00352P3SY/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_QDewAb9BJKRKZ @amazonJPさんから

 画像はAmazonのですが、我が家の高枝切りもこんな形です。手元で操作すると先端のハサミが遥か頭上でチョキチョキと切ってくれる仕組み。これ、何かに似ているとずっと思っていました。

 実は硝子体手術で使うハサミ(硝子体剪刀)にそっくりなんです。もっとも大きさは長さが15cmほど、先端のハサミは数ミリですが。こんな道具を目の中に入れて操作するんです。

 適応は網膜や硝子体といった目の奥、眼底疾患です。特に活躍するのは増殖硝子体網膜症などの難かしい病気に対してです。以前はとても大変でした。

 糖尿病などで眼底出血を繰り返したり、網膜剥離の再発を繰り返したりすると、増殖膜というベタベタしたカサブタのようなものが目の中に張り出してきます。膜状だったり、ヒモ状だったり様々です。これの厄介なところは、縮んで引き吊れたり硬く固着してしまうところです。引っ張られた網膜は破けて新たな網膜剥離(牽引性網膜剥離)を起こして、ますます難しい状態になってしまいます。

 もちろんこの増殖膜を除去しなきゃいけないんですが、そこで活躍するのが硝子体剪刀です。バリバリにこびりついた膜を丁寧にチマチマと切り、そっと外していきます。もちろん網膜は切らないようにしないといけませんから、最新の注意が必要です。わずか直径2cmちょっとの眼球に挿入した刃先を数ミクロン単位で操作するのです。

 私が現場にいた10年以上前と比べ、今ではだいぶ成績も良いようです。一つには器具の進化です。当時の硝子体剪刀の直径は0.8mmくらい。今はその半分ほどです。格段に目に与えるダメージも少ないでしょう。あとは当時より症状の重い人が減ったということもあるかもしれません。ひとえに糖尿病の管理が良くなったり、最初の網膜剥離の手術がうまく行くようになったりなどでしょうか。

 もう私はあんな手術をすることは二度と無いと思います。でも高い所でいかに効率よく刃先を回して枝を切るか、つい一生懸命になってしまいました。

初詣に行ってきました。おみくじは末吉、ちょうど良いくらいです。
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2017年11月24日

潤いのない話

 駆け足で秋が過ぎ、一気に冬になったようです。10月、11月は台風などで荒天が多く、秋らしい日がほとんど無いまま終わってしまいました。個人的には一番いい季節に釣りに出られず、とても悔しいです。

 これから寒くなってくるとともに、関東では非常に乾燥します。何もかもパリパリです。皮膚も粉を吹いて非常に痒い。痒いとさらに掻いてしまって余計に痒い。保湿が必要ですね。

 保湿剤としてよく使われるヒルドイドが先月だいぶ話題になったようです。どこかの女性向け雑誌に美容に良いと紹介されたようです。問題はヒルドイドが保険適応の処方薬であることで、本来適応とならない美容目的での処方希望が多く問題視されました。皮膚科や形成外科でヒルドイド欲しいと言う方がたくさん来院されたそうです。

 本当に皮膚の乾燥から必要としている人も中にはいたかもしれませんが、ほとんどが美容目的でしょう。もちろん美容目的では保険を使って処方を受けることはできません。販売元も、本来の目的と違う処方はしないでほしいと注意喚起しています。

 私のところにもいくつか相談がありました。目尻の小ジワ(いわゆるカラスの足)や瞼のタルミには効くのかなど。もちろんそんな効果効能はありません。ちょっと心配なのは以下のような注意書きがあることです。

「注意 目、粘膜、傷口には使用しないこと。」

 おそらく刺激が強いのだと思います。製品として保湿剤の多くには乳化剤とか界面活性剤が使われます。互いに混じり合いにくい水と油を混ぜ合わせるためです。これは皮膚の脂も落としてしまうので、脆弱な部分には使いにくいと言うことでしょう。普通のところであれば、脂を多少落としても製品の保湿成分で補えるのかもしれません。

 目の周りは皮膚が薄いです。他の部位と同じようにガンガン脂を落としたら、かえって乾燥が進んでしまいます。しかもすぐ近くは目の中、つまり粘膜です。ここに入ったらすぐに赤剥けになってしまいます。つまり目の周りには使いにくい保湿剤ということです。

 目の周囲の乾燥と痒みによって擦るのが止まらない、という状況はよくあります。擦ることによって表面が痛むため、さらに痒みが増します。表面は防水膜のようになっていて、傷んでしまうと水分が入り放題、出放題になってしまいます。濡れても乾いても刺激になります。そのため洗顔しても入浴しても汗かいても痒くなってしまいます。

 このように外の皮膚を擦っていると、やがて中の粘膜も傷んできて、さらに痒みが増してという悪循環に陥ります。掻くな、と言っても我慢できるものではありません。点眼薬などで炎症を抑えられるのは中の粘膜だけなので、外の皮膚もなんとかしなくてはなりません。

 そこで保湿剤なんですが、くだんのヒルドイドは使いにくいのでワセリンなどを処方することが多いです。白色ワセリン、またはプロペトなどです。

 これは界面活性剤などを含みません。脂を落とすことなく、己の油で覆うだけです。少々、目に入っても問題ありません。処方箋など必要とせず普通に薬局で購入できる上、極めて安価です。あえて欠点を探すとテカテカしてカッコ悪いことでしょうか。寝る前だったら気にせず使えますが、これから出かける朝にはちょっと恥ずかしいでしょうか。ティッシュなどで余分を拭き取ることもできますが、その際は横に擦らず押さえるようにしたほうがいいです。

 目だけの話では無いんですが、皆さん清潔好きなのか洗いすぎでは無いでしょうか。お子さんや高齢の方で、そんなに脂も出てないのに石鹸などでガンガン洗っちゃえば流石に乾燥します。痒いときはお湯だけで十分だと思います。私のようなオッサンはちょっと気をつけたほうがいいですが...。

 あっという間に秋も深まり、木々も色づいてきました。あれだけ生命感あふれた世の中もひっそりしています。虫たちも落ち葉の下や木の皮の裏に隠れてしまいました。虫たちにとって冬が厳しいのは、寒さよりも乾燥なんだそうです。なんとかこの乾燥を乗り越えて、春をまた迎えられるといいです。

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2017年10月23日

台風による臨時休診

10月23日月曜日は台風のため臨時休診します。

非常に強い台風が未明に上陸しました。午前中は交通機関が混乱することが予想され、すでに東横線などいくつかの路線でダイヤが乱れ始めているようです。職員の通勤も難しく、少なくとも午前中は休診としました。

午後に関しては台風通過して問題ないようなら診療予定です。

大荒れの天気ですが、これまで雨続きだった天気も、騒々しかった選挙も、モヤモヤしてたボクシングも台風一過でスッキリ解決しそうですね。

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2017年08月31日

イワシの頭

 今日で8月もおしまいです。あまり夏らしい日がないままに夏休みも終わってしまいました。かんかん照りも辛いのですから、過ごしやすかったとも言えます。でもやっぱり面白くないですね。

 精神年齢が低いからか、夏は好きです。素足で海に入れたり、屋外プールがあったり、果物が美味しかったり。そしてなにより生命感に満ち溢れるところが一番好きです。

 以前、ここでブルーベリーは目にいいか?という質問に対し、そのうち書くといってそのままになっていました。実は外来では聞かれるたびにブルーベリー伝説とその起源について説明していました。それがネットの記事としてそのまま流れて着たので紹介させてください。

「ブルーベリーが目に効く」は第二次世界大戦中にイギリス軍が流したデマが元だった - http://mitok.info/?p=98814

 様々なサプリメントを積極的に試してみた時期もあったのですが、今は全く摂取していません。何かしら老化に伴ってまた摂るかもしれませんが、今のところ効果を実感できるほどでもないというのが正直な感想です。

 我が家の食卓にも出てきました。ヨーグルトに入れると美味しいですね。好きなら構いませんが、積極的に摂るほどのものではないと思いますよ。

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2017年07月14日

水は巡る

 連日暑いです。温度も湿度も高いので、ぐったりしてしまいます。空調の効いた院内にこもりきりで、喉を痛めてしまいました。外も地獄、中も地獄です。

 一雨降ればとも思いますが、先日の九州の豪雨による災害を見ると、そう呑気なことも言えません。この度の災害に対し、心よりお見舞い申しあげます。

 数多の災害における現場を見るにつれ、水の力というものはかくも強いものかと思います。山も橋も家もみんな流してしまいます。その速さ、圧力、あらゆるところに浸透し溶解する力。

 この惑星が水の惑星である以上、水による災害は避けようがないのかもしれません。常温で液体の水があるからこそ、我々が存在するのも確かなんですが。

 よく知られているように、我々の体の大部分が水です。それは食べ物や飲み物から吸収され、体内の隅々に行き渡り、やがて排泄や蒸散されていきます。何かを溶かしたり、運んだり、冷やしたり温めたり、その融通性のある化学的性質ゆえに、あまねく利用されています。我々は水なしでは数日も生きられません。

 体内を巡る水分も一箇所に留まることはなく、血管から組織に、細胞から細胞に絶えず移動しています。今ある水は長い時間の一瞬だけ、ある平衡を保って自分の体の一部となります。この汗はいつか氷河の一部であったとか、この海の一滴はかつて自分の一部であったとか考えてしまいます。

 眼球も水分豊富な場所です。特に内側はたっぷり水分があります。小さな水風船のようなものです。黒目の部分は目の壁を作る一部ですが、透明な部分だけに、ちょっと厄介な問題があります。

 角膜の細胞は、隣接する白目(強膜)の細胞と何ら変わりはありません。かたや透明、かたや白いと色は違いますが、これは細胞の並び方に違いがあるためです。角膜の細胞は蜂の巣のように六角形に綺麗に整列することによって光を通し、透明であるのです。逆に、この整列が乱れると光が透過しなくなり、濁ってしまうのです。

 水の豊富な内部を抱え、角膜の細胞は放っておけば水が染み込んできて膨れてしまいます。すなわち形が崩れて濁ってしまう。そうならないように内側一層の細胞に水を汲み出すポンプを備えています。入ってくるだけ掻き出しているんです。これを角膜内皮細胞と言います。

 これはとても貴重な細胞です。なぜなら損なわれると、二度と増えないためです。生きていれば様々な障害によって細胞は減っていきます。多くの細胞は増える力を持った母親のような細胞によって再生していきます。しかしこの内皮細胞は増えません。足らなくなった部分は己の大きさを大きくして、パズルを合わせるように埋めていきます。

 ある一定以上、角膜内皮細胞が減ると、水の汲み出し機能が追いつかなくなって角膜が濁ります。そうなると現状では角膜移植をするしか治療方法はありません。将来的にはiPS細胞で作れるかもしれません。

 角膜内皮細胞が減る原因は様々ですが、外傷や炎症、手術などの直接的なダメージ、そしてコンタクトレンズなどです。特にコンタクトは自覚がないまま、ゆっくりと細胞を減らしてゆきます。

 角膜は透明であるがゆえに血管を持ちません。血管を持たないということは酸素や栄養を受け取りにくい。そのため、涙から多くの酸素や栄養分を供給されています。コンタクトの長期装用やドライアイ、アレルギー下の装用など、不適切な使用によって十分な酸素が供給されないと、内皮細胞は徐々に数を減らしてゆきます。

 学生の頃から30年くらいコンタクトをしていて、度々トラブルがあったなどという方は要注意です。歳をとって、白内障などの手術をする際に角膜内皮細胞が足りないことを指摘されるかもしれません。手術操作は内皮細胞数を減らすことは明白なので、ある一定以上の数を満たさないと手術はできません。

 手術したことによってかえって濁ってしまうという悲劇は、以前は度々ありました。今はほとんど角膜内皮細胞の数を数えてから手術をします。かなり少なくても安全に手術する方法も無いことはありません。それでもやはり、内皮細胞の数を減らすようなことは避けたほうがいいでしょう。

 コンタクトのトラブルは喉元過ぎてしまうと忘れてしまいますが、そのダメージは確実に蓄積していきます。多くはその背景に問題があります。PC作業などの仕事で乾きやすい。禁止が強過ぎてメガネでは見にくい。職業上、メガネでは難しい。夜勤があって長時間の装用になる。そんな声を外来で聞くたびに、将来が心配になります。

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 クリニックのマンションの管理人さんが苦労してお世話してた花が咲きました。誰かが花芽を折ってしまったようですが、水をあげて立派に咲きました。もうすぐ梅雨明けですね。
posted by kawagucci at 15:13| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月16日

梅雨空

 ご無沙汰しております。前回の投稿から半年くらい経ってしまいました。言い訳としては忙しかった、または億劫だった、あたりでしょうか。

 一般的に眼科は3月の花粉症の頃から、6月の学校検診のあたりまでが一番混雑します。普段、あまり忙しくない当院でも曜日によっては無駄に広い待合が埋まってしまいます。

 加えて今年はプール熱(咽頭結膜熱)が流行したという事情もあったかもしれません。花粉症の時期に流行すると、両者の区別がつかず、苦労します。

 そんなことも分からんヤブ医者かと叱られそうですが、実際かなりの率で誤診するという報告もあります...。一つには目やにの性状が似ているということですかね。ありふれた結膜炎(細菌が原因)の目やにが鼻くそ風なのに対し、アレルギーやプール熱などのウィルス感染は両者とも水っぽいんです。そのため潤んだような充血になります。

 よく涙っぽいと訴えられますが、それ涙じゃなくて目やになんです。固まると睫毛が糊付けしたみたいになりますよ。

 アレルギーとプール熱、一番見分けやすいのはどこかというと、症状がある目です。アレルギーは左右差があっても両眼に同時に起こることが多い。それに対し伝染病であるプール熱は片目(多くは利き手側)から反対目にうつるタイムラグがあります。これを潜伏期と言います。

 ウィルスもある程度、頭数を増やさないと攻め込めないのです。そのため目から目へ、人から人にうつるのに数日か1週間くらい間が空きます。

 教科書的にはプール熱は喉痛や発熱を伴うんですが、アレルギーでも同じような症状が出ることがあったり、そもそもそのような全身症状が欠けていたりするので参考になりません。専門的には出血斑などの他の所見も参考にします。

 実はプール熱などの原因ウィルスを検出するキットは存在します。しかしあまり決定的ではないため出番は少ないです。一番確実なのは目やにを染色して顕微鏡で見ることなんですが、花粉症の時期の外来でそんな悠長なことはやっていられないことが多いです。

 もともと診察が遅いのもあって、土曜日の待合室は子供で混雑します。じっとしてない子供たちが彼方此方と触りまくり、じゃれあっています。もしその中に一人、プール熱が混じっていれば他の子供にうつってしまいます。目やにの方を一部の席に隔離してご案内させて頂いてますが、症状の多寡や人数によっては完全を期すことは難しいです。

 一番、現実的なのは素早く診断して早く帰してあげる事かもしれません。難しいところです。

 学校で視力検査、眼科検診(プール前の検査)で異常を指摘された小学生、中学生もこの時期に外来にやってきます。新学期早々にどの学校でも検診をする都合上、同じ時期に集中するのは仕方ないです。

 それもそろそろ落ち着いて、また静かな外来に戻りつつあります。

 この時期に人手を増やして診療を円滑にできないか模索してみました。しかし都合よく3ヶ月だけ働いてくれるような方はいないでしょう。そもそもずっと求人を出していますが、なかなか見つからないのが現状です。景気がいいからか、少子高齢化によるものなのか、政治に疎い私には分かりません。

 今のところ、17時以降まで働いてくれるパートさんは見つかりませんでした。多分、当面そのような状態が続くと思います。どうしても一部検査や診療を制限したり、時間によって出来ない場合が生じてしまいます。ご迷惑をおかけしますが、どうぞご容赦ください。お電話でお問い合わせ頂ければ、その時点での現状をご説明いたします。

 激しい雷雨の後には涼しさと虹が。いつも太陽の反対側を探してしまいます。
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posted by kawagucci at 10:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする