2020年06月09日

長い学級閉鎖

早いもので6月です。世界中がウイルスに戦々恐々としているうちに、今年は半分終わろうとしています。日本でもようやく緊急事態制限が解除され、これからどうなるのか様子を見ていました。大まかに総括すると感染は収束しつつあるようです。

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いろいろな意見があるでしょう。余裕が出てきたとはいえ、最前線の病院では医療崩壊寸前まで逼迫していました。今尚、過酷な状況で耐えている方々には医療関係者として感謝と尊敬しかありません(ブルーインパルスは見逃してしまいました)。未だに感染者発生は少数ながら続いております。

一方、通学路に登校する子供たちの姿が久しぶりに戻ってきました。職場に向かう人も外食して帰る人も、以前ほどではありませんが街に戻りつつあるようです。いつまでも自粛しているわけにはいかないでのでしょう。気がつけば、町には空きテナントも目立ってきました。私もそのうちの一つにならないよう、頑張りどころです...。

現状では「院内感染」「施設での集団感染」、そしていわゆる「夜の街での感染」が主なクラスターです。これ3つ以外、すなわち皆さんが暮らしている普通の街中には余り感染者はいません。買物で都立大学駅に行っても、あなたがすれ違う人たちに、まず感染者はいない。ゼロではないのでマスク手洗いは大事ですが、神経質に外出を自粛してもリスクは余り変わらないということです。たぶん今のこの状況はこれからの日常で、しばらく続いていくということです。

遠からず県を跨いでの移動、旅行やイベントも可能になるでしょう。海外との門戸も徐々に開かれるでしょう。その度に少しクラスターが発生して、移動や外出が制限されるかもしれません。インフルエンザの流行や学級閉鎖が当たり前のように行われるようにです。とても不愉快ですが、これもこれからの日常です。常に何かに注意して暮らすのはストレスですが、受け入れざるを得ません。楽しみにしていた旅行やイベントが急に中止になったり、大切な人に簡単に会えなくなったりする。

いやいやワクチンや特効薬ができて、すぐ退治できるでしょ?と思いますか。私はそう簡単にはいかないと思います。ウイルスの特徴が研究されるにつれ、ワクチンも特効薬も作りにくい厄介な相手だと分かってきました。5年ほど前にジカウイルスが流行したのを覚えていますか?蚊を媒介してジカ熱を発症するウイルスです。南米で妊婦さんに感染して小頭症の赤ちゃんが生まれたり、代々木公園で発生して閉鎖になったり、一時はだいぶ話題になりました。

あのウイルス、実はまだワクチンが開発されてません。サボっているわけではなく一生懸命開発しているにも関わらず出来ていないのです。ということはまた流行したら代々木公園は封鎖です。フェスもよさこい祭も中止です。新型コロナウイルス のワクチンもそう簡単に手に入らないでしょう(仮にできても世界中の人が摂取するには時間がかかります)。ということは数ヶ月、数年はこのままの状態が続くんです。ちょっと気が滅入りますが、工夫して日々を暮らしていくしかありません。

このウイルスにはまだ不明な点があります。3月末の欧米での惨状には正直なところ冷や汗が出ました。しかしどういうわけか日本ではそこまでの事態にはなりませんでした。ここらへんの事情には今はまだ触れないでおこうと思います。BCG仮説、遺伝的背景、生活習慣、自粛の是非などなど議論はあると思います。いずれもう少し研究が進んだら紹介したいと思います。

ただ一つ、眼科的に自粛の成果が著しくあった事例を紹介しましょう。

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これは今年の流行性角結膜炎の流行状況です。ここで何度も取り上げた「流行り目」です。毎年夏場に学校やプールで猛威をふるうアデノウイルス感染症ですが、今年は全くみません。ゼロです!おそらく他の感染症も多くは減っているでしょう。

ズバリなぜか。それは学校が休校でプールも閉鎖されていたからです。ちゃんと手を洗って、人と距離を取っていればここまで撲滅できるのです。つまり自粛には一定の効果があります。しかし学級閉鎖をずっと続けるわけにい気ません。ある程度、社会活動と折り合いをつけて再開しなければなりません。新型コロナウイルスも一緒です。

我々のクリニックもそうですが、ドアのノブや吊革にはなるべく触りたくないですね。私はこんな道具を買ってみました。

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どうか皆さんご無事で過ごしてください。
posted by kawagucci at 15:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする