
中央の広場には七夕の飾り付けがありました。来週にはもう七夕ですね。仮に晴れても東京では天の川を眺める事は出来ません。それでもどうしても晴れて欲しい日があります。
7月22日、日食の日です。南西諸島まで行かないと皆既日食は拝めませんが、東京でも部分日蝕は見られるそうです。
国立天文台 http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/index.html
情報によると7割くらい欠けるそうなので、久々の天文ショーになりそうです。私は小学生の頃に見た記憶があるのですが、実に46年ぶりということです。計算が合いません。次は26年先ということなので、生きているかかなり怪しいものです。これが最後のチャンスでしょう。
当日は天気が許せば子どもと観察してみようかと思います(休診日です)。国立天文台にも注意が載っていますが、観察には十分気をつけて下さい。観察方法を誤ると、日光網膜症といって網膜を痛め、最悪かなり視力を損ないます。
太陽光線は強烈です。バカでかいとはいえ、1億5000万km離れた人間の肌を焼き、これだけの動植物のエネルギーを供給しているわけですから。朝日や夕日はともかく、昼日中に太陽を直視するなんてとてもできません。太陽高度が低い時は大気層で青や紫の光は弾かれてしまって減っています。
私は日光網膜症を実際に診察した事はありません。70年代にヒッピーのような人たちが太陽に向かってそれを見続けるような事をしたそうです。宗教かクスリか知りませんが、正気の沙汰ではありません。少し見ただけでも強烈な残像です。その残像そのままの形に見えない部分が残ってしまうそうです。
眼底写真を教科書で見た事はあります。網膜の中心部分が白っぽく変色していました。これはちょうど魚や肉のようにタンパク質が焼けたためです。強烈な太陽光線のため、熱凝固したためです。
網膜の中心部分は何かを見ようとして使う、一番感度の高い部分です。細胞の密度が濃いので褐色に見え、黄斑部と呼ばれています。ほとんどここで物を見ているといっても言い過ぎではありません。必ず真ん中で見たい物を捉えようとしますね。乱暴に言えば、それ以外の所がどうなろうと、真ん中さえ残っていれば視力の数字を出す事は出来てしまいます。
必然的に、ここが焼けてしまえばかなり困ることになります。全部真っ暗にはならないまでも、見ようとする所がことごとく消えてしまいます。字も人の顔もダメです。こうなるとたとえ歩けても社会的には失明と同じダメージです。
日食の際に事故が起こる事が多いそうです。くれぐれも気を付けて下さい。観察方法は国立天文台が推奨しているように、それ専用品を用意するか、間接的な観察方法がいいようです。私も売り切れる前に手に入れようと思うんですが、週間天気予報が出てからにしようかな。
実はこの日食網膜症とレーザー網膜光凝固には関係があります。太陽光線で網膜が光障害を起こす事を逆手に取って、網膜の治療に応用としたのが光凝固の最初だからです。1945年のドイツで、マイヤー・シュビッケラート氏がレンズで集光した太陽光線で網膜の腫瘍を焼いたのが最初だそうです。ちなみにマイヤー・シュビッケラート氏は私も愛用した網膜剥離手術用の鈎に名前が残っています。
お察しのように余り普及しませんでした。ドイツのような緯度の高い所では夏はともかく冬は太陽光線が弱い事、何より天気次第だからです。お金がかからないのは利点だと思うんですが。レーザー装置は以前は高価でした(今でもクルマくらいします)。
その後は様々な光源を利用して改良され現在に至ります。このレーザー治療についてはいずれ詳しくお話ししたいと思います。
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